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第28回
FIAT グランデ プント1.4 16V Sport
| すっかりご無沙汰していた「気になるクルマ試乗記」。今回は急遽、毎年恒例となっているJAIA(日本自動車輸入組合)の試乗会に参加することになったので、久しぶりにイッキ乗りをしてきた模様をお伝えします。 |
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| 久々に登場した「元気印」のクルマ。全体的なプロポーションもグー。 |
最初にお届けするのは、フィアットが新たに投入したスタイリッシュなハッチバック「グランデ プント」。このクルマは、モーターショーでコンセプトモデルが出た時から気になっていたんだけど、ようやく日本にも正規導入が始まったんだ。
なんといっても、このスタイリングには、「俺は元気だぜ!」という意志が表れていていいね。久しぶりに、素材としての良さを感じさせてくれるモデルだよ。ジウジアーロも憎いとこついてるよ。ノーズのオーバーハングは長いけど、リアはすごく短いプロポーションとか、リアからフロントにかけてはしるウエッジシェイプを連想させるプレスラインとか、うまいまとめ方だね。
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| フロントのオーバーハングが長くて、リアが極端に短いっていうのが、真横から見るとよくわかる。 |
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このロゴ、「P」の部分に人がシートに座っているようなデザインが取り入れられているの、わかりますか? これはうまい。 |
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| このクルマのプロポーションで、もうひとつ特徴的なのが、絞り込まれたノーズ部分。かなり「ギュゥッ!」と先すぼまりなんだよ。 |
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このクルマ、じつはサイドのラインがヘッドライトからリアにかけて、もの凄く鋭角で入っているんだ。 |
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ガラスとバンパーの間に何もなく、つるっとしているオシリはいい。せっかくここまでやったなら、テールレンズはブラックアウトしちゃうとか、そういう処理の方がイタリアらしいよ。そうなると、後ろの面には、めり込んでいる小さいランプしかない、非常にシンプルなものに仕上がる。 |
全体的には、新鮮さを狙ったというよりは、どちらかっていうとアナログっぽいテイストでまとめてあるんだ。外装だけでなく、メーターとか内装とかもそう。「ボーイズレーサー」という言葉がもてはやされていた時代のものを踏襲している。ネオ・クラシックというかレトロ・フューチャーというか。ウエッジシェイプなんて、ひと時代前のテイストだもんね。それをそつなく今風にまとめてあるところが、これをベースにしたもっと面白いバージョンができるんじゃないかという期待感を持たせているポイントかな。
ただ残念なのが、前後のランプ類の処理。フロントもリアも凝りすぎちゃって、そこだけがイタリア車っぽくないんだ。イタリア人はこういうのを求めているのかもしれないけど、ボクはそんなものをイタリアに求めてはいないんだ。もっとこう、こちらが勝手に思い描いている「イタリアの良さ」というのを入れて欲しかったなぁ。新素材よりは天然の革、みたいなね。
もっとも、そのテールレンズに「ピッ!」とラインを立てて、そこで水滴をカットしてリアに巻き込まないようにするなんていう処理がしてあったりして、全体的なデザインのレベルは高いんだよ。
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| 残念なのが前後のランプ。フロントにはアクリルのまつげが3本も入っているし、テールランプはハンパな透明タイプになってる。日本車じゃないんだから、こんなことしなくていいのに。 |
そういう意味でも、このグランデ プントは、粗野でいいものを持っているだけに、「ジウジアーロよ、お前もか!」という感じで終わっちゃってるのは惜しいよ。もう一度「スパーカー」をデザインしていた頃を思い出して欲しいな。
肝心の乗り味も、思っていたほどキビキビしたものじゃなくて、操作系がみんな「ダル」な感じで、まだまだ発展性があるでしょ?という印象だった。
要するにこれは、田舎から出てきたイイものを持っている娘さんが、流行のギャル系メイクをしちゃった、という感じのクルマなんだ。これはやめましょう。粗野なほど魅力が出てるクルマなんだから、正統派キレイ系メイクでいきましょう。で、当時一世を風靡したデ・トマソとかイノチェンティとか、忘れちゃいけない本家本元のアバルトとか、そういう元気なボーイズレーサーになってくれると楽しいだろうね。期待してますよ! |
| FIATグランデ プント 1.4 16V Sport 主要緒元 |
| 全長×全幅×全高(mm) |
4,050×1,685×1,495 |
| 車両重量(kg) |
1,160 |
| 総排気量(cc) |
1,368 |
| 最高出力(ps/rpm) |
95/6000 |
| 最大トルク(kgm/rpm) |
12.7/4,500 |
| 価 格(万円) |
209 |
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