モータースポーツ塾


「レーシングチームの時間割」
第10回 心はすでに次の戦いへ

ラストラップの最終コーナーを回って、いよいよチェッカーフラッグ。最初にコイツを受けるのはわがチーム、なら最高ですが……。それはともかく、激しかったレースが終わりました。さて、このあとレーシングチームやドライバーは何をするのでしょう。

まず必須なのが、ルールで定められているレース後の車検があります。レースを走り終えた全マシンは、車両保管場へ。その中で優勝から4位までのマシンが、車検の対象となります。最低地上高は規定どおりか、空力パーツの位置は適性か……、これらはレース中に不可抗力で値が変わってしまうこともある部分ですが、それがルールの範囲に収まっているかなどを、細かくチェックします。




ですから再車検をやっている間、順位は暫定的なものなのですが、表彰式はとりあえずやってしまいます。みなさんもおなじみの光景ですね。そして車検が終わり、レースによってまちまちですがおよそ1時間くらいで最終順位が確定。競技長が結果表にサインすると、その結果が正式なものとして、記録されるわけです。

実は、事務手続き的なことはこれでオシマイ。意外とレース後って、やることが少ないんですヨ! あとはただただピット&パドックの撤収作業というのが、われわれチームの仕事です。もちろんドライバーや全員で「オツカレサマー!」と言葉をかけあいますが、レースによっては必ずしも笑顔で1日を締めくくれないわけで……。そんな時は、ひたすら機械的に仕事をして忘れようとするわけです!?

撤収スピードは速いですよ〜。もう何10年も積んでバラして走らせてまた積んで、を繰り返しているわれわれですから、日没前には影も形もありません。アウトドア生活に慣れていないオトーサンがテントを片づけてクルマに積んでいる間に、われわれなら自宅へ戻ってひとっ風呂浴びています!? そして帰路も行き同様、チーム内での役割に応じてバラバラに帰ります。どこかで打ち上げでも、なんてケースはあまりないですね。




さて、わが本拠地に帰ってまいりました。もうひと仕事しなければなりません。レーシングカーはナマモノ。市販車のように次回走る時までそのままで大丈夫、というわけには、当然のことながらいきません。まあ今日は休むとして、明日からまたマシンと格闘する日々が始まります! さあチームの諸君、工具を持って自分の持ち場につくように!


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※この講座は1998年〜2000年まで、本田技研工業のホームページに連載されていたものを再編集したものです。


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