「ゆらたく屋」の「平成モータースポーツ塾」で紹介してあるとおり、レーシングカーに導入されている技術は、元々第二次大戦時の航空機技術から採用されたものが多いんだ。その最たるものは、僕の得意とするエアロダイナミクスだ。ダウンフォースを発生させるためのウイングは、飛行機の翼を逆さまにして、揚力として働く力を、文字通り車体を押さえつけるための力として利用するためのものだからね。エアインテークもアウトレットも、そもそも流線型というものが、航空機からの応用だしね。
え? そりゃ飛行機のハナシで軍用車とは関係ないだろうって? 何をおっしゃるウサギさん、ここからが本題。ハイテクの最先端を行くのは、今も昔もあまり変わりがなく、新素材の開発というのも、航空機(といっても主に戦闘機だけど)から発生し、それが軍用車などの他の分野に派生していくんだよ。その中でも、レーシングカーは民間で利用される最も早い分野。ジュラルミンやチタン、それからCFRP(カーボン・コンポジット)などがそれにあたるというのは、「モータースポーツ塾」を読んでくれた人にはおなじみの話だよね。
それじゃここで、軍用車に利用されているハイテクとレーシングカーのそれと、一体どんな関係があるのか、前述の「ハマー」を例にとって説明してみようか。
以前ハマーに試乗させてもらった時、よーくチェックしてみたら、意外や意外、まるでレーシングカーと同じ作り方をしている部分が随所に見られたんだよ。例えば、あの大きな一体もののボンネット。
あれはRTM成形といって、金型の中にガラス繊維を張り込んでおいて、樹脂を射出する成形方法で作られているようだし、メイン・ボディのアルミ・メタルワークなどは、完全に航空機の世界なんだよね。ジュラルミンの末端部分の処理や、板と板の重ね方や接着剤やリベットの使い方など、カーボンモノコック以前のF1のボディ作りと、基本的には同じ手法なんだよ。他にも驚きの技術が取り込まれていて、あれをまじまじと見た時には、「まんまレーシングカーじゃん!」と感心させられてしまったものだ。当時はこのハマーで、パイクス・ピーク仕様を作ったら面白いゾ! なんて考えていたくらいだからね。
こんなふうに、ハイテク満載の軍用車とレーシングカーは、モノ作りの方向性の違いこそあれ、それに用いられる技術は、相通ずるものがあるんだ。そういう視点で、何か面白い乗り物ができないものかと考えていたところ、僕の思考回路が、今やもうひとつの活躍の場となっている分野へも繋がった。
ちょっと前フリが長くなったので、続きは次回。「軍用車」と「レーシングカー」、そしてもうひとつのモノを組み合わせると……答えはタイトルに書いてあるし、イラストも出しちゃったからバレバレだけどね(笑)
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