ムーンクラフトのスタッフブログ。
今回は製造部の Y(二人目)が、CFRP・カーボンファイバー製品製作における『3D展開ソフトを用いた型紙製作』を紹介したいと思います。
写真1:SGT-EVORA
CFRP製品の製作工程の一つに、積層という作業があります。【写真2】 (ラミネート作業とも呼ばれます。)
積層作業は、裁断したプリプレグシートを1枚毎に決められた繊維方向に従って成形型に積層する作業です。
写真2:積層作業中のSGT-EVORAライトベゼル
今回紹介する型紙製作は、その積層作業の前段階にあたる、積層作業に必要となるプリプレグシートを裁断するためのパターン(カットデータ)を作る作業です。
写真3:SGT-EVORA
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① 3Dデータを用意します。
元データは、車両設計の際に開発部が作成したものを使用します。【写真5】
今回のライトベゼル部品は【写真4】の水色部になります。
写真4:ライトベゼル周辺3Dデータ
写真5:元データ
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② 3Dデータを切り分けたいパーツに分解します。【写真6】
写真6:ライトベゼルの3Dデータ(分解後)
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③ 分解したデータを、展開して、3Dを2Dに変換します。【写真7】
(このソフトで自由に線を引いて切り分けることもできます。)
写真7:ライトベゼルのデータ
左:3Dデータ 右:2Dデータ(展開後)
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④ 2Dデータを加工して、実際にプリプレグシートを裁断するカットデータを作成します。
先ほどの【写真7右】の2Dデータを使用します。
積層作業では何層もプリプレグシート貼るため、
各層毎にプリプレグシートを継ぐ位置をずらしたり、繊維の向きを変えたりします。
また、この後実際にプリプレグシートのロールから切り出すため、
プリプレグシートのロール幅に合わせたデータを作成します。
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⑤ 出来上がったカットデータをカッティングプロッターで切り出します。【写真8】
このような流れで積層作業で必要となるプリプレグシートが揃いました。【写真9】
写真8:カッティングプロッター
写真9:切り出されたプリプレグシート
以上のような手順で型紙製作を行っています。
展開ソフトを用いるメリットは、
3Dデータさえあれば型が無くても型紙が作れることです。
そのため、成形型の完成後、速やかに積層作業ができ、短納期の案件への対応を可能にしています。
今後も、展開ソフトを、もっと使いこなせるよう頑張っていきたいです。