前日、土曜日に行われた公式予選。
結果は今シーズン3度目、悔しいQ1敗退となってしまいました。
しかしQ1敗退したとはいえ、今回鈴鹿のSGT LOTUS EVORAは戦闘力十分。
予選Q1でのセクタータイムが裏付けています。
またマザーシャーシ勢が予選トップ3を独占。
鈴鹿とマザーシャーシのマシンと相性はやはり良いようです。
この予選結果を見てしまうと、今年もトップ3の一角を占めるSGT LOTUS EVORAの姿、見たかったと思ってしまいますね。
そして8月27日決勝日を迎えます。
レース前の10時55分からのウォームアップセッションは高橋選手、加藤選手の2人が走行。
スタートドライバーは前日の予選Q1に引き続き濱口選手が担当します。
スタート時の搭載燃料は80リッター(フルタンクの約8割)。
17番手と中団スタートのSGT LOTUS EVORA。
序盤は集団の中での走行となり、本来のペースよりも抑えられたレース展開を強いられることが予想されます。
よって1回目のピットは10周目に予定、第1スティントを短めにする作戦を選択。
短めの第1スティントでピットでの混雑を避けつつ、第2スティント序盤を集団から離れて走行。
前が開けるであろう空間でペースを上げ順位を上げる、レース序盤の作戦です。
そしてこちらはスタート前のSUPER GTレース中継コメンタリー陣。
ドライバーやチームと同様、コメンタリー陣にとっても鈴鹿1000kmは長丁場のレースとなります。
(画像:福山 英朗さんのFacebookより)
そしてSUPER GT第6戦、SUPER GTでは最後となる鈴鹿1000kmレースがスタートします。
第1スティント LAP1~LAP10:濱口選手 (10LAPS)
スタートでは17番手をキープし、レースが始まります。
1周目、このレース優勝することになる65号車のメルセデスが早速ピットイン。
順位が一つ上がり、16番手でオープニングラップを通過します。
この後、集団の中やや順位を落とし、18位まで後退。
そして6周目。
SGT LOTUS EVORAはバトルの中、シケインを曲がり切れずに直進、オーバーラン。
幸い鈴鹿のシケイン先は舗装され2輪用のシケインが設置してあり、その2輪用のシケインを利用し、本コース復帰を試みます。
ところが今度はコース復帰した際に26号車のアウディと接触してしまいます。
スタートしてまだ数周、中団はまだ集団に近い状況での走行。
オーバーランからコース復帰に使用した2輪用シケインは、4輪用シケイン出口直後に本コースへ合流するレイアウト。
シケインの先はホームストレートへと続くため、ここは大切な加速区間。
その加速区間に、通常よりも加速の鈍いSGT LOTUS EVORAがコース復帰、突然現れます。
直後の集団は前車がブラインドになり、速度差があるSGT LOTUS EVORAの確認が遅れる、もしくは確認できません。
結果、交錯することとなり、残念ながら接触となってしまいました。
タラレバになりますが、スタート直後の序盤でなければ避けられた接触だったかもしれません。
コースオフと接触でSGT LOTUS EVORAは22位まで後退します。
この接触でマシンに違和感は感じつつも走行は続けることができ、順位は他車のピットインで21位へ。
予定通り10周目、SGT LOTUS EVORAは1回目のピットインをします。
第2スティント LAP11~LAP43:加藤選手 (33LAPS)
ここではタイヤ交換はせず、給油とドライバー交代のみ。
燃料を残してのピットインで給油時間を短縮。
1回目のピットストップでのロスタイムを短くする予定通りの作戦です。
ドライバーは濱口選手から加藤選手へ。
マシン外観に接触によるダメージが少し見られたものの、ひとまずSGT LOTUS EVORAコース復帰します。
しかしコースインしたアウトラップ。
加藤選手からも接触の影響であろうフロントサスペンションの違和感を訴える無線が入ります。
そのためSGT LOTUS EVORAは再びピットイン。
目視によるサスペンションのチェックを行うも、異常は見られなかったため、一旦はこのままコースへ戻します。
また、先ほどのシケインでの接触原因によりピットストップペナルティ10秒が課せられます。
13周目、このペナルティストップを消化。
再びコースに戻るもマシンの状況は変わらず。
加藤選手からは再びサスペンションの異常を訴える無線が入ります。
14周目、再度SGT LOTUS EVORAはピットイン。
今回はマシンをピットガレージに戻します。
キャンバー又はトーのズレを感じるという加藤選手からの情報より、マシンを定盤に乗せてのアライメントチェック。
すると左フロントのトーが大きくずれていることがわかります。
アライメント調整、接触の影響を懸念し各部をチェック。
そしてタイヤ交換もここで行います。
1時間以上の作業を経てSGT LOTUS EVORAは再びピットアウト。
ドライバーは引き続き加藤選手です。
ピットアウト後はマシンの調子も戻り、加藤選手の走りも本来のペースへ。
トップグループと遜色ないラップタイムを刻み出します。
修理作業で既にレースでの順位を争う状況ではなくなりましたが、SGT LOTUS EVORA順調に周回を重ねていきます。
そして43周目にピットインします。
第3スティント LAP44~LAP63:高橋選手 (20LAPS)
タイヤ交換、給油、ドライバー交代を行いピットアウト。
ドライバーは加藤選手から、第3スティントは高橋選手です。
58周目。
130Rで31号車のプリウスがクラッシュ。
セーフティーカーが導入されます。
セーフティーカー導入中、高橋選手から無線でピットアウト後から真っすぐ走らない(右に向かっていく)との連絡が入ります。
セーフティーカー終了後の63周目ピットイン。
足回りをチェックするも異常は見られません。
外した左前タイヤにタイヤカスが大量に付着していたことから、これが原因と推定。
ここではタイヤ交換、そしてドライバーを濱口選手へ交代し、ピットアウト。
第4スティント LAP64~LAP90:濱口選手(27LAPS)
タイヤ交換後、マシンが右に向かう症状はなくなったとのことで、順調に走行を重ねます。
87周目、S字コーナーで一旦飛出すもマシンへの影響はなく、その後も周回。
そして90周目にピットインします。
第5スティント LAP91~LAP115:高橋選手 (25LAPS)
タイヤ交換、給油、ドライバーを濱口選手から再び高橋選手へと交代、ピットアウトします。
このスティント終盤、110周目を終えたところで完走扱いとなる周回数をクリアできそうであることが判明します。
SUPER GT スポーティングレギュレーション 第40条2項
走行周回数が各自のクラスの優勝車両の70%に達しない競技車両は、順位の認定を受けられない。
修復でかなりの時間をピットで過ごしましたが、それでも優勝車両の70%はクリアできそうということです。
ただし、この鈴鹿1000kmではドライバー交代回数が最低5回と決められています。
ここまでのドライバー交代回数は4回。
1回足りません。
レースも大詰めですが、急遽ここでドライバー交代を行うことになります。
GT300クラスはGT500クラスがチェッカーを受けた時点の周回でレースは終了。
またGT500クラスのチェッカー表示と共にピットロード出口もクローズされます。
GT500クラスのファイナルラップ、SGT LOTUS EVORAは最後のピットイン。
GT500クラスのトップが既にサーキット後半の西コースへと差し掛かったという情報も聞こえてきている中、ギリギリのタイミングでしたが無事にドライバー交代を済ませSGT LOTUS EVORAはピットアウト。
ピットロード出口がクローズする前にコースに戻ることができました。
第6スティント LAP116 : 加藤選手(1LAP)
加藤選手が1周走り、GT300クラスのトップからは42周遅れでチェッカーを受けます。
優勝した65号車のメルセデスは158周を走破。
SGT LOTUS EVORAの周回数は最終的に116周。
よって優勝車両65号車の73%を周回、SGT LOTUS EVORAは23位で完走となりました。
事実上、序盤の接触で勝負権はなくなってしまい、レースは残念な結果に。
過去2年の鈴鹿での相性から期待していたレースでしたが、今年は土曜日から流れに乗れず不完全燃焼で鈴鹿を終えることとなりました。
マシンに関しては接触はあったものの幸いマシンに大きなダメージはなく、次戦のタイラウンドへの準備となりました。
そして・・・
昨年はいろいろとありましたが、今年はタイへSGT LOTUS EVORAを無事に送り出せました。
積み込み時の写真を見るとスポンサーロゴもタイ仕様へと少し変わっているようですね!
輸送のため9月はレースがなかったSUPER GT。
次戦は10月7日・8日の週末、唯一の海外戦のタイラウンドです。
この週末にはF1日本グランプリも開催されています。
SUPER GTの予選・決勝の時間は、共にF1のセッションに引き続き観戦できるタイムスケジュールになっています。
この週末はF1とSUPER GT、レース観戦が忙しくなりそうですね!
チームスタッフも10月4日午前の便でいよいよタイへと向かいます。
2017 SUPER GT 第7戦 シリーズ唯一の海外戦のタイラウンド。
詳細情報は、下記のSUPER GT公式Webサイトページをご覧ください。
SUPER GT公式Webサイト