電気自動車のフォーミュラカーレース、「フォーミュラe」。
そのサードシーズン開幕戦がいよいよ今週9日の日曜日に行われます。
番組のお手伝いをさせて頂いている、フォーミュラe。
今回はフォーミュラeの中から、日本にスポットをあて、
まもなく始まるサードシーズンの開幕戦、その前戦にあたるセカンドシーズンの最終戦、
舞台はロンドン・バタシーパークから、少し紹介したいと思います。
今回のパート3でフォーミュラe編は最終回です。
2014年に始まったフォーミュラe。
その中で日本のフォーミュラeといえばやはり「アグリ」という名前ではないでしょうか。
鈴木亜久里さんがエグゼクティブチェアマンを務めるチームは、
ファーストシーズンはアムリンアグリ、セカンドシーズンはチームアグリとして2シーズンを戦いました。
ファーストシーズンの第4戦のブエノスアイレスではアムリンアグリのアントニオ・ダ・コスタ選手が優勝。
セカンドシーズンでは、第6戦ロングビーチで、ダ・コスタ選手があわやポールポジション獲得かと湧かせてくれました。
(結果はタイヤの内圧違反でタイム取り消し)
そして日本人ドライバーもこのチームからフォーミュラeにスポット参戦。
ファーストシーズン開幕戦の北京では佐藤琢磨選手、
最終戦のロンドンでは山本左近選手の参戦と
日本のフォーミュラeを盛り上げてくれました。
そんなチームアグリ、セカンドシーズンではスポンサーを失ってしまい、
シーズン途中では鈴木亜久里さんがチームを離れる発表がされるなど、変化の多いシーズンとなってしまいました。
そしてチームアグリという名はセカンドシーズン限りとなり、来シーズンからは新しく中国籍チームのテチーターとして参戦することとなりました。
迎えたセカンドシーズン最終戦。
チームアグリとしての最終戦でもあります。
前戦まであったマシンサイドポットの「Team Aguri」のロゴも消えてしまい、いよいよ最後といった雰囲気。
また外から見ていても、既にファーストシーズンとチームの雰囲気は大きく変わってしまったような印象でした。
ちなみに設営日、チームアグリの代表のマーク・プレストンさんが二人のアジア系の方をつれていました。
気になったので写真だけ取りましたが、実はこの真ん中の方が新しいテチーターの代表の一人のようです。
そんなチームアグリのピットのとなりで、新しい日本の力がフォーミュラeに登場、発表会が行われていました。
ファーストシーズン、チームアグリのスポンサーをしていたアムリン。
セカンドシーズンはアンドレッティチームのスポンサーでした。
そのアムリンを日本の三井住友海上火災保険が買収、このロンドン最終戦からMSアムリンと改め、新しいマシンカラーリングが発表されました。
サードシーズンも引き続きアンドレッティチームのスポンサーを務めるそうで、このマシンカラーリングもサードシーズン用のものを前直しで今回のロンドンで登場させたとのことです。
オーナーのマイケル・アンドレッティさんもロンドンには現れ、記念撮影も行っていました。
マイケルさんがセカンドシーズンで現場に来るのは2度目との情報も。
たしかにセカンドシーズン、テレビで見ていてもマイケルさんが映るところを見ませんでしたね。
また一つ新しく日本とフォーミュラeが繋がったのは嬉しいことですね!
そして、そのアンドレッティチームに日本人スタッフがいたことをご存知だったでしょうか。
アンドレッティのスポンサーであるTEコネクティビティ。
ファーストシーズン最終戦ではTEコネクティビティカラーのアンドレッティチームのマシンが登場しましたね!
そのTEコネクティビティはスポンサーとしてだけでなく、TEコネクティビティのエンジニアが一人チームに帯同しています。
マシンに使用している自社製品のチームへのサポート役、更に次シーズンへ開発・デザインインの役目が主な仕事です。
アプリケーション・レジデントエンジニアというそうです。
そのTEコネクティビティのエンジニアとしてアンドレッティチームで働いているのが、
日本人の上山 惟心(うえやま いしん)エンジニアです。
チームアグリの鈴木亜久里さんがチームを離れて以降は、フォーミュラeの全チーム合わせて唯一の日本人スタッフとして世界を回りました。
上山エンジニアはTEコネクティビティのロテーショナルエンジニアとして6ヶ月間アンドレッティチームで働き、
フォーミュラeのレース、またレース以外ではアンドレッティチーム拠点のアメリカ・インディアナポリスに勤めているそうです。
日本でいうところの出向に近いのでしょうか。
ムーンクラフトスタッフもロンドンでは本当に上山エンジニアには本当にお世話になりました。
フォーミュラeのマシンについてはもちろん、ピット内のこと、各セッション間の最新情報等々、いろいろと教えてもらいました。
また、アンドレッティチームのドライバー、ロビン・フラインス選手とシモーナ・デ・シルベストロ選手のインタビューの際には、
インタビューされる側のチームの上山エンジニアや広報のスタッフに親切にアシストして頂きました。
英語でのインタビューが不慣れなムーンクラフトスタッフでしたが、アンドレッティチームに支えられ、無事にインタビューすることができました。(苦笑)
メカニックではない上山エンジニアですが、それでも当然マシンの触る機会もあります。
さらにゲストや関係者への説明対応とお忙しそうでした。
そんな上山エンジニア、このロンドンでの最終戦とこの後のオフシースンテストでロテーショナルエンジニアとしての6ヶ月間を終えるそうです。
次のシーズンはまた他のスタッフが現場へ来るそうですが、日本人ではないとのこと。
日本人としては上山エンジニアがフォーミュラeの現場からいなくなってしまうのは残念ですが、
この経験からさらに活躍、いずれはフォーミュラe含めモータースポーツの世界に戻ってきて、日本人エンジニアとして活躍してほしいと非常に勝手ながら思っております。
その上山エンジニアにフォーミュラeチームで働いてみての感想を頂いたのでこの場でご紹介したいと思います。
「フォーミュラEのアンドレッティチームへのサポートは一生に一度の出来事で車好きの私には忘れられない経験でした。マイケル・アンドレティさんにも良く会う機会があり、実際にレーシングカーの分解や組み立て、設計やレースでのサポートを行えるなんて夢のようで忙しい六ヶ月はあっという間に過ぎました。サードシーズンはモーターやインバーターなどが新しくなり、アンドレッティチームにとっては独自のパワートレイン搭載マシンで迎える初めてのフォーミュラEシーズン。その結果を楽しみにしています。もちろん今シーズンはフォーミュラEを観戦する予定ですが、自動運転のロボレースが行われる予定もあるのでそちらも楽しみにしております。」
ちなみに・・・上山エンジニアが所属するTEコネクティビティはSUPER GTでEVORAのライバルでもあるプリウスのスポンサーでもあるようです!
さすがグローバル企業、国内レースにもしっかり進出していますね。
SUPER GTでは負けられないです!!!
(画像:Cars Tokai Dream28さんのFacebookより)
最後に、日本のレースで活躍中のこのお二方もフォーミュラeロンドンのパドック内に来ていました。
日本のレース経験者ではロイック・デュバル選手、そしてオリバー・ターベイ選手が既にフォーミュラe活躍、サードシーズンも参戦予定ですが、
近い将来デュバル選手やターベイ選手に続いてこの方々もフォーミュラeで活躍する日が来るのかも(?)しれませんね。
以上、フォーミュラeセカンドシーズン最終戦より、日本にスポットをあて紹介しました。
全3回で紹介してきましたフォーミュラe編。
パート1・パート2も合わせて見て頂けたらと思います。
(フォーミュラe編パート1については、こちらのページをご覧ください。)
(フォーミュラe編パート2については、こちらのページをご覧ください。)
いよいよサードシーズンの開幕戦・香港が9日の日曜日に行われます。
各メーカーさんの関与が徐々に強くなり始めているフォーミュラe。
香港、モロッコ・マラケシュ、ベルギー・ブリュッセル、カナダ・モントリオール、アメリカ・ニューヨークと初開催の都市も今シーズンは多いです。
3年目はどんなシーズンとなるのでしょうか。
そのフォーミュラe、テレビ放送は、昨年・一昨年同様テレビ朝日さんにてレース中継が放送されます。
詳しい情報は下記のテレビ朝日公式WEBサイトのフォーミュラEページをご覧ください。