まもなくフォーミュラe・サードシーズン開幕 ~パート2~

電気自動車のフォーミュラカーレース、「フォーミュラe」。
そのサードシーズンの開幕戦がいよいよ来月9日に近づいて参りました。

 

 

番組のお手伝いをさせて頂いている、フォーミュラe。

 

 

今回はレース中継ではなかなか触れられないフォーミュラeの舞台裏を、
取材をさせてもらったセカンドシーズン最終戦、舞台はロンドン、バタシーパーク。
今回はフォーミュラeマシンのカーボンファイバー製パーツを中心に少し紹介したいと思います。

 

 

こちら、バタシーパークのコースのピットレーンです。

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レース中継等でもおなじみのフォーミュラeのピット。
常設のサーキットでのレースではないため、当然ピットは仮設のテント型です。
そしてこのピット裏に、各チーム追加の小さなテントが設置してあります。

 

 

こちらがピット裏のテントです。

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このテント、使い方はチームによって様々なのですが、
いくつかのチームはマシンのカーボンパーツ修理等の作業場としても使っています。

 

 

この最終戦の舞台ロンドン・バタシーパークは、市街地で争われるフォーミュラeのレースの中でも非常に狭いコースです。
そしてロンドンはシリーズ唯一の2日連続開催の2連戦。

 

 

バトルの激しいフォーミュラeというカテゴリー。
加えて今回は雨も絡んで接触やクラッシュが多発。
本当に2日間で良く壊してくれました。

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そんなレース日のピット裏。
セッションのたびに破損したカーボンパーツが次々と運ばれてきます。
セッションごとに積みあがっていくパーツを見ていると、なんだか少々悲しくもなりました。
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どのチームも専任ではないのですが、カーボンパーツの修理担当がいます。
その方々が破損したパーツをウェットレイアップにて修理しています。
当然全てのパーツを修理するわけではないのですが、
それでも明らかに修理作業ペースよりも、破損パーツが運ばれてくるペースが早く、
ついつい心配になり、そこばかりに目がいってしまいました。

 

 

それではその作業の様子を少し覗いてみましょう。

 

 

こちらアプト・シェフラー・アウディチーム。

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ウエットレイアップ作業中です。

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続いて、ウエットレイアップでの修理の硬化後、表面をサンドペーパーで仕上げています。

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屋外ですがちゃんと掃除機を使っています。

 

 

こちらは別パーツですが、エアツールを使っての仕上げ作業のようですね!
キレイに仕上がってきていますね!

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基本的にはフロア周りが中心のようですね!

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このアプト・シェフラー・アウディチームは数少ないピット裏にテントがないチーム。
作業の様子を覗くのには非常にありがたいのですが、この週末は何度も雨が降り(横殴りの豪雨の時も)、
その都度大変だったのではないでしょうか。
仲良くしてくれ、色々と教えてくれたスタッフだったので、余計に気の毒に感じてしまいました。

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そして、使用している樹脂や道具等の一部を見せてもらいました。
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続きましてドラゴンレーシングの作業場です。
こちらは作業用のテントのあるチームです。

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こちらでも、どのような工具等を使っているのか、少し覗かせてもらいました。

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続いてチームアグリです。

 

こちらのスタッフもフロアの修理を始めました。

 

 

まずは破損した修理部を削ります。

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シートワックスを貼り、接着剤が反対側に流れないようにします。

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次に接着剤を作ります。
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こちらがその接着剤。
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破損部に刷り込みます。
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この後、ウェットレイアップで貼り込むそうです。
(左右のアンダーパネルの修理が同時に行われたため、写真が左右混ざっています。わかり難くすみません。)

 

 

ちなみに、この作業をしていたアグリチームのスタッフ。

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先ほどのアプト・シェフラー・アウディチームのスタッフとは異なり、
前掛けもしていなければ、ゴーグルもイヤープラグもマスクもなし、おまけに素手でやっています。
レースの出張先で限られた場所と道具での作業、本職ではない方がやってるケースも多いそうで、しょうがないのかもしれませんが、チーム間の差にちょっと驚きですね。

 

 

 

場所は変わり、こちらにはフロントノーズコーンの先端が置いてあります。

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なぜこのような先端だけ?と思ったのですが、どうやらノーズコーンは、先端だけの損傷の際は、その先端を削り剥がし、新しいものを接着、付け替えられるような設計となっているようですね。

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確かに毎回ノーズを壊す度に新品に交換していては、値段を抑えた量産フォーミュラカーとはいえ費用の高騰へと繋がってしまいますね。
先端だけの軽損傷は、付け替えの修理で対応できる。
強度的に問題がなければ非常に良いアイデアだと思います。

 

 

これを踏まえ見てみると、

 

 

こちらの壊れ方は修理可能(あくまで予想)。

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そして、こちらだと修理不可能(あくまで予想)。

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と、壊れ方で判断できそうですね!

 

 

 

さらに今回フォーミュラeマシンを見ていて気になったことが数点。

 

 

フロンドのエンドコーンの底板を止めるボルトがボタンボルトだったこと。

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普通ならフロア下の空力性能への影響を考え、出っ張らない枕頭の皿ボルトを使いそうなところ。
(底板は単板だったため、追加作業をしなければ皿ボルトはしようできませんが)
フォーミュラeは空力に頼るマシンではなく、最低地上高も高い。
よってボルトの種類は重要ではないのかもしれませんが・・・
バンピーな路面でボタンボルトの頭が削れ、ボルトが取れなくなってしまうということはないのでしょうか。

 

 

2つ目は、枕頭(皿頭)のリベットをあまり使用していないこと。

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普通であればカウル合わさり重なる部分はパーツ同士が面で重なるよう、リベットの頭が当たらない枕頭のリベットを使用します。
しかしフォーミュラeではこのような場所にも丸形のリベットを使用。
当然、この部分にカウルを重ねるとリベットの頭があたり、その分が浮いしまいます。

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しかし写真を見る限り、それも見込んでカウルの表面が合うように設計しているみたいですね。

 

 

こちらの両点ともに値段を抑えた量産フォーミュラカー、製作コストを高くしないために製作作業者の作業量を減らす考えが出ているのかもしれませんね。

 

 

 

話は変わり、こちらはチャンピオンチームのルノーe.damsチームの備品です。
こちらのタイヤホルダー。

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よくみると、カーボンとのハイブリッド製ですね。

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タイヤを載せてしまうとそこまで重さの差がないのかもしれませんが、なんとなくスタッフが押してる姿が軽そうに見えたのは気のせいでしょうか?

 

 

そしてこちらはドライバー・チームの両タイトル獲得後の記念撮影中。

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しかし、見てもらいたいのはスタッフたちの手前、この写真の上。
オーバーヘッドコンソールのフレームもカーボン製です。
オーバーヘッドコンソール自体ないチームもある中でカーボンフレーム製。
チャンピオンになるチーム、備品へのお金のかけ方もやはり違うのかもしれませんね。

 

 

 

最後にこの2枚の写真。
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上の写真はロンドンの最終戦でチャンピオン争いをしていたルーカス・ディグラッシ選手のレース後のノーズコーン(赤)です。

 
同点で迎えた最終戦、決勝。(同点ですがランキングはディグラッシ選手が首位)
ディグラッシ選手はチャンピオン争いの相手セバスチャン・ブエミ選手に1周目の3コーナーで追突しクラッシュ。
2台ともマシンにダメージを負いましたが、なんとか両ドライバー共にピットまで戻り2台目へマシンチェンジ。
フォーミュラeのルール上、決勝は2台を使って争われる、そして完走しなくてもレース中のファステストラップの記録選手にはポイントがもらえる。
結果、前例のない、進行中の決勝レースとは全く異なる、レース中に二人だけのファステストラップをかけたアタック合戦へ。
最終的には追突された側のブエミ選手がファステストラップを出してポイント獲得。
逆転でチャンピオンになりました。

 

 

その一周目の追突した際のディグラッシ選手のノーズコーン。
先端に挟まっているのは追突した際のブエミ選手のリアウィングのパーツ(青色)です。(写真:下)
追突の真相はわかりませんが、ランキングは同点ながら首位、しかしマシンの自力には劣るディグラッシ選手。
ブエミ選手のマシンに噛みついたが逃げられてしまった。
レース後、この壊れたノーズを見ているとそんな風に見えてきてしまいました。

 

 

こちらはその最終戦のハイライト動画です。

 

 

以上、フォーミュラeセカンドシーズン最終戦より、カーボンファイバーパーツを中心に紹介しました。

次回の「まもなくフォーミュラe・サードシーズン開幕 ~パート3~」もお楽しみに!!

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