電気自動車のフォーミュラカーレース、「フォーミュラe」。
そのサードシーズンの開幕戦がいよいよ来月9日に近づいて参りました。
由良がレース中継の解説等で、番組のお手伝いをさせて頂いている、フォーミュラe。
今回はレース中継ではなかなか触れられないフォーミュラeの舞台裏を、
まもなく始まるサードシーズンの開幕戦を前に、
その前戦にあたるセカンドシーズン最終戦、舞台はロンドン・バタシーパーク。
レース前の設営日から少し紹介したいと思います。
フォーミュラeサードシーズンは、世界の12都市にて全14レースが開催予定。
世界を転戦して行われるフォーミュラe。
そのマシンはどのように運ばれるのかというと、
このようなボックスに納められ運ばれていきます。
現在はドライバー1人が2台のマシンを使用してレースを戦うフォーミュラe。
そのためこのマシン用のボックスは1チーム4箱、使われています。
セカンドシーズンは全9チームで争われたので、計36箱
サードシーズンは全10チームとなるので、これだけで計40箱。
当然ですが、すごい量ですね。
このボックス、全て共通かと覗いてみると、いろいろとモディファイされてるのか少々異なります。
こちらはチャンピオンチームのルノーe.damsチーム。
あいてるスペースに仕切りをつけて、備品が収納できるようになっています。
次にアプト・シェフラー・アウディチーム。
先ほどのルノーe.damsチームと比べると少々簡易的な感じがしますね。
続いて、アンドレッティチーム。
こちらは、しっかりした引き出しがついています。
しかしこの引き出しは他チームでも見られたので標準品なのかもしれませんね。
そして、そのボックス付近にはなにやら不思議な形のソフトケースがいっぱい置いてあります。
これはフロントウィングのアッセンブリー収納ケースですね。
続いてフロントノーズコーンのみの収納ケース。
こちらはリアウィングのアッセンブリー収納ケースです。
最後にヴェンチュリーチームの収納ケース。
こちらは片側のアンダーパネル用です。
チームカラーに加え、チームロゴ入りですね。
失礼ながら上位チームならともかく、ヴェンチュリーチームがオリジナルのケースを用意していたのには少々驚きました。
こだわりがあるんですね。
ちなみに、サードシーズンはフロントウィングの形状が少し変わりアップデートされます。
新しいフロントウィングのアッセンブリー用の収納ケースが開幕戦には登場しているかもしれませんね。
続きまして、こちらはDSヴァージンレーシングのピット。
昨年同様、地元イギリス出身のサム・バード選手のマシンのリアカウルがユニオンジャックカラーに変更となっています。
当然、地元ドライバーのためのスペシャルカラーリングなのですが、
ちょうどイギリスのEU離脱が一番のニュースとなっていた時期の開催だったため、違う意味にも見えてきてしまいますね。
DSヴァージンといえば、数少ないツインモーター搭載のシングルギアマシンで臨んでいるチーム。
シングルギアなので、走行中ギアチェンジのためのステアリング裏のパドル操作作業は必要はありません。
気になってステアリング裏を見てみると・・・
ステアリング裏のパドルは付いたままですね。
続いて同じくシングルギアのマシンのNEXTEV TCRのステアリングをみても・・・やはりパドル付き。
使用しないだけか、もしくは別用途で使用してるのか。
セカンドシーズンからはパワートレイン含め独自の改良が許された箇所が出てきたフォーミュラeマシンですが、
おそらくステアリングの改造はできないんでしょうね。
ちなみにこのステアリングもサードシーズンでは新しいタイプのものになります。
車載映像等で映った際は、是非注目してくださいね。
ギアつながりで注目したいのは、チャンピオンチームのルノーe.damチーム。
シングルモーター搭載の2ギアシステムのマシンでセカンドシーズンを戦いました。
興味深いのはアナログのギアシフトレバーを採用しているところ。
ドライバーの右手下にシフトレバーが付いています。
(良い写真がなくてすみません。)
一見、2ギアとはいえ毎周何度もステアリングから手を放すのは、レースを行う上であまり効率的とは思えません。
しかしルノーe.dam、実はほとんどのコースで一周の間ギアチェンジをしていません。
車載映像等でお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが。
※(コースが直線主体の高速セクションと、低速セクションにはっきり分かれているコースでは、その高速と低速のセクションが変わるところで一度ずつギアチェンジ。それでも一周のシフト回数は2回です。)
大半のコースでギアチェンジをしていないので、Lowギアはスタート時のみ使用、シフト回数もスタート時のLowからHighへの一回(ピット時除く)なのでしょうね。
ルノーedamのマシンは、ほぼシングルギアのマシンに近い2ギアマシンだったんですね!
ちなみにルノーe.damチームのドライバー、セバスチャン・ブエミ選手とニコラス・プロスト選手。
同じチームですが使用しているシートの表皮が異なります。
ブエミ選手はメッシュ生地、プロスト選手はガムテープ。
この差は何なのでしょうか。
ドライバーの好みなのでしょうか。
気になるところです。
(良い写真がなくてすみません。)
話は、NEXTEV TCRに戻ります。
ステアリングをチェックをするためピット覗いたところ、こちらのシートを発見。
こちらはNEXTEV TCRのオリバー・ターベイ選手のシート。
ターベイ選手といえば、ファーストシーズンの最終戦、ここロンドンがフォーミュラeデビューでした。
昨年は走行前日にピットでシート作成していましたね。
(その模様は、こちらの「まもなくフォーミュラe最終戦 ~パート1~」のSTAFF BLOGページをご覧ください。)
セカンドシーズンはレギュラードライバーとして引き続き参戦。
そのためなのか、シートも昨年とは異なり表皮付き。
さらに名前も入っていました。
さらにNEXTEV TCRといえば、やはりディフェンディングチャンピオンのネルソン・ピケJr選手。
そのピケJr選手、ピットやパドック内の移動はこちらの電動スケートボードを愛用。
このスケートボード、意外と速度が速くてびっくり。
電動のため音はとても静か、近くを通られても正直気づきません。
ちょっと危ないのではないかと思うほどでした。
そしてチャンピオン争い中のお二方も、設営日は取材やプロモーション活動中。
ルーカス・ディグラッシ選手はCM撮影中。
外から見ていると何度もNGを出していたように正直見えたのですが・・・
実際使われているCMを見ると、あれはもしかして演技だったか!?という内容になっています。
真相はわかりませんが、こちらが実際のCMです。
2分35秒辺りからからディグラッシが登場します。
こちらは翌日、確認走行が行われる金曜日。
ドラゴンレーシングのサードシーズン体制発表会が行われました。
ファラデー・フューチャーとのスポンサー兼技術パートナーシップ契約を発表。
その役員の中に、どこかで見たことがある顔が・・・
この方、元フェラーリF1の代表だったマルコ・マティアッチさんです。
グローバル・チーフ・ブランド兼コマーシャル・オフィサーの役職とのこと。
その発表会直後の確認走行セッション直前。
ドラゴンレーシングのピットでは早速マシンのサイドポンツーン等に「ファラデー・フューチャー」ロゴやマークを急いで貼り付けています。
発表会前にピット覗いた際、サイドポッドにロゴが何もなかったのは、こういうコトだったんですね。
無事に走行前に作業は終了、ドライバーも乗り込み走行準備完了です。
ちなみにドラゴンレーシングのマシンには有名企業のスポンサー名も!
パナソニックさん、サードシーズンはジャガーレーシングのタイトルスポンサーとなって登場します。
有名人物や大企業のスポンサーが出て来だしているのは、フォーミュラeが成長してきている証ということでしょうか。
話は設営日に戻り、バタシーパークのコースも着々と準備が進んでいきます。
こちらはスタートシグナルがコースへ運ばれていきます。
スタートラインに吊るされている姿しかみたことないのですが、やっぱり近くで見ると大きいんですね!
昨年、コースの1コーナーにあった巨大なバンプ。
そのバンプによって走行するマシンが四輪ジャンプ。
マシンのアンダーパネルが裂けるほどの事態で、土曜日と日曜日のレースの間に慌てて再舗装が行われました。
(その模様は、こちらの「まもなくフォーミュラe最終戦 ~パート2~」のSTAFF BLOGページをご覧ください。)
今年はさらにもう一度舗装をやり直したようですね。
合わせて、路面の舗装が切り替わる箇所を中心に再舗装されており、依然バンピーなコースではありますが、所々改善が見て取れました。
そして、こちらは最終コーナー。
只今、縁石を接着中のようです。
昨年、レース前日の確認走行で縁石が剥がれ飛んだ個所もありました。
今回はガッチリと接着して頂きたいですね!
以上、フォーミュラeセカンドシーズン最終戦の設営日の模様を紹介しました。
次回の「まもなくフォーミュラe・サードシーズン開幕 ~パート2~」もお楽しみに!!