昨年11月にSUPER GTの最終戦を終え、早二ヶ月。
2017年シーズンが待ち遠しいオフシーズンですね。
開幕戦、4月9日の岡山までは二ヶ月強です。
他チーム同様、SGT EVORAも2017年シーズンへ向けて準備は進んでいます。
2016年、シーズン終盤戦は2015年仕様の空力パッケージで臨むことを強いられ、苦しいレースが続きました。
オフシーズンに入り、まずは2016年仕様のパッケージへ戻すべく昨年末から作業が続けられています。
今回はその一部、SGT EVORAのカーボンファイバー(CFRP)パーツ製作現場の作業を覗いてみたいと思います。
カーボンファイバー製品は、成形型にカーボン繊維プリプレグシートを積層するところから始まります。
これがSGT EVORAのサイドシルカバーの成形型です。
ちなみに、サイドシルカバーとはマシンのドコのことかというと・・・
こちらになります。
サイドシルカバーに使用するプリプレグシートです。
このプリプレグシートを決められた繊維方向に従って成形型に積層していきます。
積層作業途中ですが、近くで見ると、このような状態になります。
全てのプリプレグシートを積層した後、全体を耐熱フィルムで包み込み、バキュームポンプで真空引きを行い、プリプレグシートを成形型と密着させます。
この状態のまま、オートクレーブ内でさらに加圧・加熱し、硬化させます。
オートクレーブでの硬化後、成形型から脱型した直後がこちら。
ここから図面・指示書に従って、サンディング・加工作業を行っていきます。
場所は変わりまして、こちらではリアウィングの製作作業中です。
作業も終盤、ウイングとステーをつなぐリアウイング・マウントを既に完成しているウィング本体に接着しているところですね。
続いてこちら、フロントフェンダーの左側です。
先ほどのサイドシルカバー同様、オートクレーブで硬化後、耐熱フィルム等を剥がし取った状態です。
まだ成形型に収まっています。
成形型から脱型した直後がこちら。
形になっているようですが、まだライトの付くベゼルやフィンがありません。
周りの構成部品や付属部品と組み合う形へとサンディング・加工作業を行います。
フェンダーに付属するパーツが揃い、個々の加工作業は終了。
接着作業前に全ての付属パーツとの組み合わせを確認しています。
このような接着前の合わせ作業・確認は、正確な製品を作る上では非常に重要な作業となります。
問題がないことを確認後、接着作業へと入っていきます。
徐々にですが、SGT EVORAの製品が出来上がってきています。
このあと、検品・検査を受け、問題なければカラーリングのための塗装・カッティング作業へと入っていきます
オフシーズン中に予定されている作業は残されていますが、2017年シーズンへ向けて、SGT EVORAも準備は進んでいます。
各パーツ並行して作業が進んでいるため、全ての工程を追えなかったことをお詫びいたします。
(カーボンファイバー製品製作の流れについてはこちらをご覧ください。)