マツダMX-5 ミアータ ボンネビルスピードチャレンジプロジェクトに協力

由良社長の知人の所有するボンネビル用のミアータ(ロードスター)向けに、CFD(数値流体解析)用いて技術協力を行う運びとなった。


図1.マツダ MX-5 ミアータ

 


図2.マツダ MX-5 ミアータ

 
今回の解析は、車体のモデルを省略し、ロールケージ周辺のヘルメット・コックピットのみで簡単なCFDを行った。今回はあくまで、ロールケージ単体のドラック大小のみを比較した。
主流速度は180km/hで行った。
まずは、ロールケージのみの状態でCFD解析を行い、ベースラインを設定する。

図3. ロールケージ

 

図4. ロールケージ

 

図5. ロールケージ

 
次に、由良社長の知人がオリジナルで製作したカバーをロールケージに取り付けた状態をCADで再現、CFD解析を行う。
前者と後者を比較したものが次の図である。図8は圧力分布でヘルメット周辺の圧力に差を見ることができる。赤い部分は圧力が高く、青い部分は圧力が低い。上のカバー付きタイプは、ややヘルメット前部で圧力が高くなっていることがわかる。今度は速度分布を見てみよう。図9は垂直断面、図10は水平断面である。赤い部分は速度が高く、青い部分は速度が低い。上のカバー内部で濃青の範囲があり、淀みが発生していることがわかる。水平断面でみると、後方乱流がオリジナルカバーによって悪化している。

図6. オリジナルカバー付きロールケージ

 

図7. オリジナルカバー付きロールケージ

 

図8. ヘルメット周辺の圧力分布比較
上図:カバー付きロールケージ、下図:ロールケージのみ

 

図9. 垂直断面での速度分布比較
上図:カバー付きロールケージ、下図:ロールケージのみ

 

図10. 水平断面での速度分布比較
上図:カバー付きロールケージ、下図:ロールケージのみ

 
 
以上からオリジナルカバーはパラシュートを付けたかのように、流れがはらませており逆効果であったことが分かった。
計算された数値を比較するとドラックはロールケージのみの状態と比較して、1.6%増加していた。


 
 
 
 
ムーンクラフトとしての提案は、オリジナルで製作したカバーは使用せず、
ロールケージの各フープを翼形状にするカバーを取り付けることである。
ロールケージを翼形状することで、余計な乱流の発生を抑え、ドラッグの低減を狙う。

 
図11. 翼形状ロールケージ (ムーンクラフトデザイン)

 
結論を先に述べるとすると、ベースラインのロールケージのみでの状態と比較して、ドラックを12%低減させた。
次の表比較は、先ほどの表1ロールケージのみと、表3ムーンクラフトデザインである。


 
図14の水平断面での流速分布をみると、後方乱流の差がよく分かる。速度の低い範囲が狭くなっており、収束も早い。翼形状にしたことで、パイプによる乱れを抑えていると考えられる。図15は渦の運動を可視化しており、上のロールケージのみでは、渦の強い範囲が小さくなっていることがわかる。


図12. ヘルメット周辺の圧力分布比較
上図:ムーンクラフトデザイン、下図:ロールケージのみ

 


図13. ロールケージ後方の圧力分布比較
上図:ムーンクラフトデザイン、下図:ロールケージのみ

 


図14. 水平断面での速度分布比較
上図:ムーンクラフトデザイン、下図:ロールケージのみ

 


図15. 渦の可視化比較(Q-Criterion)
上図:ムーンクラフトデザイン、下図:ロールケージのみ

 
結果としてロールケージのみの場合に比べ、12%改善した。 荷重値としては僅か16Nではあるが、300km/hとなれば約5馬力に相当する。レーシングカーの世界では、このような僅かな糧の積み重ねが非常に重要となってくる。
 

ムーンクラフト(株)
開発部

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