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第2話「風のイエローキャブ」
ホンダTN360
ムルティプラを友人に譲った後、次に手に入れたのがクリームイエローのボディーにタータンチェック柄シートを備えるホンダTN360の軽トラックだった。
この頃の僕はバイクを改造したり、カートやバギーを作るのに夢中だったから、それを運搬するのに便利だったんだ。ミッドシップにエンジンをマウントしたこいつはほんと良く走った。
実はこの車、途中でクラッチワイヤが切れちゃったんだけど、修理もせずそのまま乗っていたらコツをつかんで、クラッチレス・ギアシフトがだいぶ上手になった。コンスタントメッシュのギアボックスだったからやりやすかったんだけどね。停まる時にエンジンを止め(由良クンは環境に優しい"信号待ちアイドルストップ!"の先駆者なのだ)、ローにいれてスターターで発進するという具合。
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何の用件だったか今となっては覚えていないけど、この車で林さん(現・童夢社長)のところへ出かけたときのこと。東京から京都へ向かう東名高速で、定期便トラックの後ろについて、理論的には知っていたスリップストリームを試したことがあった。「由良拓也は空気が見える」とか言われた時期があったけど、それよりずっと前の話だよ。スリップってほんとに良く効くんだなぁって初めて実感した。
テール・ツー・ノーズ(ヘッドかしら)で、コバンザメのごとく前のトラックにくっついて走りながら、このままなら燃料も節約できるかな、そうだ、いっそ(トラックと)つなげる方法はないかしら……などと退屈しのぎで考えて悦にいっていたら、気がつくとトラックと一緒に本線からはずれサービスエリアのアプローチに入っていた。接近しすぎていたため前が見えずそのまま引っ張られてしまったのだ。本線に戻るのも危険だったのでそのままサービスエリアへ。お腹も空いたことだし僕も休憩することにした。
ラーメンをすすっていると、「黄色いちっこい車はおめえか」とトラックの運チャンが声をかけてきた。ビビる由良青年に「近寄りすぎるとあぶねぇゾ」と優しくアドバイスをしてくれた。今考えてみると危ないことしてたよね(事故らなくてよかった)。運転手さんゴメンナサイ。みなさん、安全のため、故障・不具合はきちんと修理して、十分な車間距離をとって運転しましょう。
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ホンダTN360(1967〜1972)
フロントにホンダの象徴Hマークを配した本格キャブオーバータイプの軽トラック。後軸前方に2気筒エンジンを傾けて搭載するユニークなミッドシップレイアウトを採用。354ccの排気量ながら、当時の軽トラとしては驚異的な30ps/8000rpmの最高出力と最高速100km/hの性能を誇った。 |
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