ホットロッドセレナ・ゆらたく屋バージョン


第3回 「密かに欲しいカーボン製のズラ!?(造形編)」

さぁ、イメージスケッチも描き上げたことだし、今回はさっそく造形に入ります。ボクたちがいうところの“基本盛り付け”という過程ですね。これなくしてはカスタムパーツの芯となる、マスターモデルを作ることはできないんです。まずは、このクルマのキモといえるボンネットとリアゲートに手を入れるとしましょう。

ホットロッド・セレナの特徴は、ノーマルのボンネットやリアゲートの上にカスタムパーツを付けているということ。かぶせもの、つまり人間でいうところのカツラを付けるんですね(最近、ボクも欲しいけど……)。FRP製のボンネットやリアゲートでは軽すぎたり変形したりで、安全性も含め上手くいかないこともあるから一挙両得というわけ。

 
これが基本盛り付けの作業。カツラを作るときの頭の型取りをしているようなもの。

元々ある鉄板の上に型を作るわけだから、ズレのないようにピタッと付けなきゃいけないよね。そこで、最初に下張りといってベースとなるクルマにカーボンファイバーを貼り付けます。ホント贅沢だよねー。そして、その上に基本断面の高さを考えるわけです。ようするに、どのくらいボリュームを持たせようかな〜、とね。「ガ張り(ガバリ)」っていうんだけど、この辺まで盛り上げたらいいなってとこまでパテを盛り上げて目安にするんだ。

今度はそのガ張りの間を埋めるように、ウレタンフォーム(サーフボードの中身みたいなやわらかい素材)を貼り付けて、表面を削って形を整えます。そしたら、またまたカーボンファイバーを貼り込んで、まさにカーボン素材のサンドイッチにしちゃうわけ。カーボンの表面もまたキレイに削って、「よしよし、美人になるんだよ〜」って願いを込めて整形していきます。

 
リアゲートのガ張りが完成したところ。これが製品となる完成形の芯になる。

特に苦労したのはフロントボンネットの部分。もともとセレナが持っているカタチを壊さずに、パンプキンのイメージを注ぎ込むわけだから、どの位が一番いいのかってね。もう少し基本断面を高くしようかなぁとか、角は丸くしようかなぁとか、真中に入ったリブはどの程度にしようかなぁって随分悩んだよ。

フロントとリアのつるんとしたスムージングバンパーは、純正のパーツを外して新しく作るからエアロパーツ製作と同じ要領なんだけど、これがけっこう難しいんだヨ。あるものの上に造形するには、それをベースに盛り付ければすむけれど、奥に入り込むデザインはベースになるものがないからね。これもかなり手間がかかって大変だったなァ。

また、当初はサイドマフラー、いわゆるレークパイプを取り付けない場合も想定して、ロッカーパネルも製作。レークパイプを取り付けるのを前提にバンパーの高さを決めているので、レークパイプを付けなかったら、地面との間にかなりのクリアランスができちゃうからね。

カーボンのサンドイッチの出来上がり!

全体的にイメージスケッチを基にするけれど、現場で作りながら決めることも多いよね。あーでもない、こーでもないといいながら、実際にカタチにしながら調整していくんだよ。そんな苦労もしながら、ホットロッド・セレナのマスターモデル完成!そのお姿は次回お見せしましょう!

まるで連続テレビ小説のノリで、おいしいところは次回に続く製作記。実はこのホットロッドセレナは販売することになったので(グッドニュース!)、その関係もあって週2回ペースで製作記をお届けすることになりました。ひゃ〜、悪夢だ〜、おーい番頭、原稿を書く身にもなってくれ〜。レース・開発・レース・釣り・レース・家庭サービス(?)という殺人的なスケジュールの合間を縫って執筆中の店長に愛の手を〜♪



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