GC-21スポーツカー

第3回 空気が見えた!?GC-21風洞実験

さぁ、今回からいよいよGC-21の製作過程を紹介していこう! まずは、デザインスケッチを元にしたクレイモデルづくり。クレイモデルとは粘土の模型で、実車の1/4スケールで製作し、風洞実験に使うFRPモデルの元となるものなんだ。デザインだけでなくレーシングカーとしての性能を重視するために、いろいろな形状を粘土の模型を作るんだよ。

粘土であれこれ試行錯誤して、一番結果がよかったこのデザインに決まったヨ!

写真を見てください。黒い部分はハードモデル、ダラーラF3をそのまま使う部分なので、最初っからプラスチックで作っています。それにアルミ板に粘土を盛った状態のモデルを製作していくんだよ。フェンダーの形状が丸いだとか四角いのだとかちょこちょこ違う状態を組み合わせてテストするので、100パターンくらいトライしました。

粘土をコネコネ。模型少年として鍛えた腕が発揮されるのだ。   最終的なディテールを決めるために、さらに粘土を盛りつけていきます。   最終形状にかなり近づいてきたリアビュー。

このクレイモデルの型をとったものをFRPモデルにします。FRPモデルにしても細部のディティール部分には粘土を盛って、さらに細かな形状に決定していきます。粘土を盛り付けては削るという作業の繰り返し。久々に模型少年と化した由良おじさんでした。

1/4スケールのFRPモデルを風洞にセットします。

できあがったFRPモデルを風洞にセットして、空力性能を測定します。正確にいうと、細いロッドで吊り下げ、静止した状態で走っている状況を作り出します。前面から風を流し、ボディー下面の微妙な風の流れを再現するために、風の流れと同じ速さで下面のベルトをまわすムービング・グラウンドタイプの風洞実験です。

FRPモデルの上を引っ張っている前部分の針金がフロントのダウンフォース値、後ろ部分の針金がリアのダウンフォース値を測っています。そして、前から引っ張っている針金は、空気抵抗、いわゆるドラッグ値を測っています。後ろから引っ張っている針金は、車体が揺れないようにテンションをかけているプリロードワイヤーです。

引っ張った針金でダウンフォース値とドラッグ値を測ります。   車体が揺れないように後ろ部分のプリロードワイヤーで引っ張ります。

写真をみると、外側から4本の黒い柱がクルマに入っているのがわかるよね。じつは、模型にはタイヤはついていなくて、風洞にセットされているんです。要するにこのタイヤは、黒い柱に付いていて、ボディーの模型はタイヤには触れずにぶら下がっているのです。ダウンフォース値を精密にとっている秤にタイヤの振動が計測されると困るので、タイヤの力は黒い柱についたセンサーで測っているというわけ。あくまでボディにどれだけの抵抗があって、どれだけダウンフォースがかかるかテストしているので、タイヤはタイヤだけで測り、その結果を機械が計算して、パソコンにデータを落とします。

機械を操作する通称「制御テーブル」。ここに、風速をコントロールする機械、境界層を吸い込む機械、ムービングベルトをコントロールする機械、秤にセットされた車高をコントロールする機械が設置されています。

さて、このデータをもとに、次の作業が待っているよ!


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